訃報 

    カテゴリ:妻的日記

    大切なお友達の一人が亡くなった。
    大人になってからの友人で、会うのも年に一度あるかないかだったけれど、
    私の人生の転機に、背中を押してくれた一人だった。


    三時間余、電車と新幹線を乗り継いで、今日お別れをしてきた。


    私はいわゆる死後の世界の存在を信じていない。
    死後の世界とは、生者の心の中にあるものであって
    自らが辿り着くことは決してない世界だと、そう信じている。
    だから私にとって死は、自分のすべてを失うことだ。
    見ることも、聞くことも出来なくなって、
    肉親も、愛する人も、友達も、太陽も草も木も風も
    そして夢も思い出も喜怒哀楽も
    それら人生のすべてを失って、煙のようにこの世からきえてしまうことだ。
    初めて全身麻酔の手術をうけたとき
    脊麻につづいて笑気麻酔をあてがわれた次の瞬間が別室だったことの衝撃。
    あのまま目を覚まさなければ、ナースに「深呼吸して」と言われたことを「思い出すこと」すらなかったろう。
    目を覚まさないのが「永遠の眠り」なのだ。
    そしてその眠りについたことを、思い出すことは永遠にないのだ。
    今日ほど、新幹線の車窓から望んだ富士山が神々しく見えたことはない。


    かの人に巡り会えたことへ感謝し、
    いま、生きて、いまそばにいる人の存在に感謝しよう。
    生きているから、つらいこともあるけれど、
    こうしてかけがえのない人の旅立ちに立ち会うたびに、
    けれどそれじたい、有り難いことであることをかみしめる。
    月並みな言葉しかうかばないけれど
    Yさんありがとう。
    どうか安らかに、お眠りください。

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